昭和漫画少年時代


11空想科学

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「太志(ふとし)くんは、ロボットが好きなんだが?」

「ロボットが好きだていうより、空想科学ってのが好きなんだず」
「空想科学ってなんだ」
「んだな、漫画だど、『アトム』や『鉄人』、『エイトマン』みだいなものば言うんだげんと。
 テレビだど太田博之が出でいだ『ふしぎな少年』や『マリンコング』、ほれがら『ピロンの秘密』や『ナショナルキッド』みだいなものっだすね」

「みな、おもしゃい(面白い)ものばかりだずね」

「んだな。
 外国だど、映画で『タイムマシン』とか、『透明人間』や『地底旅行』、『宇宙戦争』なて、いろいろ作らっでるみだいだば。
 『スーパーマン』も、んだべした(そうだよ)」

「んだっけのがあ(そうだったのか)。
 しゃね(知らない)うちにいろいろ見でんだね」

「ほれに、空想科学って、自分で好きなように考えるんだがら、いろいろ出で来た方がおもしゃいべ?」

さて、鉛筆で迫力あるコマの連続で気が付きませんでしたが、本文をよくよく見ると、少し茶色の紙で出来ていました。
さすがに漫画本となるとテストの切れ端では作れないらしいのです。
でも、その紙の色など気にならないぐらいの迫力が手作りの漫画本にはあったのです。

「これは何の紙ば使てんの?」

「前のところでも新聞配達をしてだがら、その時に新聞のながさ(中に)ざら紙があって、それを少しずつもらて(貰って)ためたんだズ。
 今ももらてるよ」

「この紙ば集めんの、面倒くさぐないが?
 グジャグジャになて、使わんにぇどぎもあっべず。
 白いノートば買った方が早いんねがよ?」

「帳面(ノート)ば漫画さなて使たらほれごそ(それこそ)もったいないべした。
 帳面(ノート)は勉強さ使うもんだべ。」

「んだが(そうなのかな)?」

白いノートをに漫画を書いているボクは、ちょっと複雑な心境でした。
でも、太志(ふとし)くんは自分の意見を相手に押しつけるような真似はしないらしく、

「帳面(ノート)使える人は、遠慮しねで使ていいげんとな。
 これでもけっこう、使えるもんだがら、オレは間に合ってるげんと」


(2008年7月20日記)



※この作品はほとんどフィクションですから、年代などあてになりません。
文中の登場人物も仮名ですが、実在される方の敬称も略させていただきました

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