昭和漫画少年時代


10ロボット漫画

画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます

太志(ふとし)くんが自分で作った漫画本を持って来ました。

大きさは別冊ふろくの大きさで、B6判(128ミリ×182ミリ)というサイズです。
というより、別冊ふろくとして作っているようです。
『少年漫画・5月号別冊ふろく』と、入れてあります。
山形へ転校する前に作ったものだそうです。

『少年漫画』という名前は、太志(ふとし)くんが勝手に付けた架空の少年雑誌でした。

太志(ふとし)くんによれば、人気漫画家でなければ、別冊ふろくを描かせてもらえないのだそうです。
そのようなことを手塚治虫が雑誌の中で言っていたそうですが、真偽のほどはわかりません・・・。

さて、その表紙は朝陽を浴びて、大地にすっくと立つ人物。
いや、ロボットのようです。
背景には朝陽の他に妖星ゴラスのような炎と燃える星が描いてあり、地面からはモゲラのようなものが顔を出しています。
モゲラと違うのは、肩にロケット砲のようなものが付いている事でしょう。
全部を絵の具で丁寧に染めあげたフルカラーの力作です。

ロゴタイトルも入れてあります。
タイトルは、『ロボットブルーエックス』

「ロボットなんだが?」

「んだ、鉄人と違って、手塚治虫の「魔神ガロン」のように、中に人が入って動かすんだ。
 顔の部分に飛行機の操縦席みだいのが入る場所があってよ。
 そこに操縦席が小型のヘリコプターみだいなで浮かんで行って、そごさスポっと入って、操縦すんなよ」

「へえ。カッコイイな」

「今の電気計算機(電子計算機)より何万倍も早く計算できる電気計算機が入っているから、ある程度は乗っている人の考えで自由に動かしぇるんだ」

「うんうん」

「大きさはどのぐらいあんのや?」

「人が乗らんなねがら、鉄人と同じぐらいが、もう少し大きいと思てる」

話を聞きながら表紙を見てみると、紙は厚紙のお菓子の箱を利用しているそうです。
ページを開くと鉛筆ですが、すでに物語が始まっています。

太志(ふとし)くんの作る物語は、ひと味違うようです。
簡単に物語を紹介すると、
巨大な宇宙船に乗って地球制服をたくらむ宇宙人の一団「ZAO連邦」が、突然地球に攻撃を仕掛けてきます。
妖星ゴラスを小型にしたような燃える衛星爆弾や、モゲラのような何体ものロボット怪獣などで執拗に攻撃をしてきます。
そこに立ち向かう地球防衛軍とロボット工学の桑田博士、そして正義のロボットを操る主人公の少年探偵、横山おさむの活躍が描かれています。

まず、現実を考えてみれば、少年探偵などはいないし、ましてや少年では地球の運命を任せるにははなはだ不安なのですが、そのような理屈が全く分からずに、単純に物語の世界に入って行ける多感な少年期だったのです。


(2008年7月25日記)



※この作品はほとんどフィクションですから、年代などあてになりません。
文中の登場人物も仮名ですが、実在される方の敬称も略させていただきました

ボクと漫画大将第10回  

回へ 10 11回へ

トップページ

懐かし掲示板に感想や懐かしい話題を書き込みをしてください。

漫画同人ホップのコーナーへ戻ります

トップページへ戻ります
inserted by FC2 system