昭和漫画少年時代


自分で漫画本を作る?

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でも、太志(ふとし)くんから指摘を受けても、けっこう平然としているボクでした。
ボクが描きたいものを描いているのだから、良いのではないか。
格好良いポーズだけを描いて満足してることは、けして悪く事ではないと思うんだけど。

そんなボクの思いが届いたかのように太志(ふとし)くんは、
「んだげんと、同んなじ方を向いたって、良いんだげんとな。
 漫画家ではないがらな。
 描きやすいポーズが一番カッコよく描けるもね。
 わがる、わがる(分かる、分かる)
 しかし、どれもかっこよくてうまいもな〜」

「んだべ〜。
 こういうのは、なんぼでも描げっじえ」
 
「こだい(こんなに)うまいんだがら、そのうず(そのうちに)、ずぶん(自分)だげの漫画描いでみだらいいんねの」

「ずぶん(自分)だげの?」

「んだ、ずぶん(自分)で考えて漫画の話ば作んのよ。
 手塚治虫や横山光輝みだいに、ずぶん(自分)で漫画本にすんなよ。
 漫画家みでで、考えだだげでも、おもしゃそう(面白そう)だべ」

太志(ふとし)くんの言ったことは、思っても見なかった事なので、驚きました。

「オレも作ってんだ」

「漫画本ば?」

「んだ、忘んにぇごんぱ(忘れなければ)、明日持てくっば」

パラパラ漫画を作り、自分で漫画本まで作っているという太志(ふとし)くんには、驚かされることばかりの毎日です。

ようやく東北の地山形も季節は梅雨となりました。
むし暑いじめじめ感はさらに増しておりましたが、このころボクはこうしたわくわくする毎日をおくっていたのです。


(2008年7月17日記)



※この作品はほとんどフィクションですから、年代などあてになりません。
文中の登場人物も仮名ですが、実在される方の敬称も略させていただきました

ボクと漫画大将第7回  

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