- 当初この企画は、スポンサーである東宝の古い怪獣映画のフィルムを使ってドラマを構成しようというものでした。
- 話のつながらないところはソフビの怪獣人形を使い、役者は主役に団 時朗を置くという何とも無謀な企画が進行し始めたころに私が呼ばれたのです。
動き出したのがオンエア開始の約2ヵ月前。
- シナリオが上がったのがその2週間後。
- 1ヵ月分まとめ撮りなので、シナリオのダメ出しをしている時間もなく約500カットもの絵コンテを描き、撮影に突入しました。
東宝のフィルムを使うと言っても、レーザーディスクのマスターを見ると、全てワイドスクリーン画面だったので、結局はモニターに映る怪獣たちのシーンでしか使えず、あとは全てソフビやゴム製の怪獣人形を使いました。
- これはもう内容はギャグで押すしかないと思いました。
- そして撮影も徹夜の連続で、こんな人形ごときで一体何ができ上がるのか予測もつきませんでした。
しかしでき上がってみると、自分で言うのもヘンですが、思ったよりも面白いものに仕上がったのです。
- 視聴率も朝の時間帯にしては好調で、これは東宝のフィルムを使わなくてもけっこういけるぞと思いました。
- 東宝のフィルムを使うととても違和感があり、それにこんな使い方をして円谷英二監督や川北監督に申し訳ない気持ちもありました。(川北監督はこの番組を見ていたそうです)
この最初の撮影分はコントのような軽いノリの話でしたが、やがて2回目のシナリオからは内容がどんどんエスカレートして行き、ドラマも本格化して行きます。
- 撮影の段取りは少しづつ良くなって行く分、合成などが増え、忙しさは変わることはなく、以後恐ろしくも楽しい1年間が続いて行くことになるのです。
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